| 3. 1991年〜現在・歯はそれほどなくならない |
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20年ほど昔、長くお付き合いをしてきた患者さんが、どのくらいの感覚で歯を失われたいるか調べたことがあります。当然、そのずっと前まで遡るので歯科治療などは何も分かっていなかった頃の記録ということになります。500人ぐらいの方を調べたところ、ほぼ10年に1本の歯を失われていることが分かりました。調査した集団の中には、お一人で10本以上ももの歯を失われた悲劇の主人公が何人かいらして、そのことが平均値を大きく低下させていました。
それから10年ほどしてまた同じ事を調べました。この時には歯周治療の体制など、かなり整っていましたので画期的なデータが出るだろうと予想していました。ところが実際はそううまくはいきませんでした。ほとんど同じ患者さんを使ってのデータですから、それぞれでは10年の加齢がずしりとのしかかってしまうのです。結局11〜12年に延長されたことにとどまりました。それでもわれわれの医院から総義歯の患者さんは出ないことを確信しました。 |
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どんな原因で歯が失われるか?数としては何といっても歯周病です。虫歯ではよほど手遅れにならない限り抜歯にはなりませんし、昔には考えつかなかった方法で救済することも可能になりました。 歯周病は炎症で骨や歯周組織が破壊されていく病気ですから、炎症をおさまらせ平和な環境を作り上げることが第一目標です。ただ歯周組織の破壊に伴って歯の位置が変動し、上下のかみ合わせが変わってしまうことが少なくありません。かみ合わせの変化は特定の歯に強い接触を生じたり、下顎の位置を不安定にさせることもでてきます。炎症はおさまっても不安定な力関係が続けば、沢山の歯をなくす危険はなくなりません。 炎症と力のコントロールのためにもかみ合わせは大切です。 |
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上記のように大臼歯に問題が発生したとき、どんな対応策をとるかを決めることは簡単ではありません。患者さんに状況を把握して頂いて大きな侵襲は加えず、ご自分でメインテナンスとわれわれの定期検診で存命を図る方法から、部分抜去や形態改善、骨の再生治療などまで様々なシナリオが考えられるからです。 さらにここで行う処置の持続性をどう考えるかも問題です。完投投手にすべてを期待するという方法もあるでしょうが、小刻みな継投策の方が安全な場合があるからです。いずれにしても予後推測の確実さと、次の手を見越した対応策の組み立てが求められるわけで、流れを読むことができるかどうかが勝負です。 |
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たくさんの歯が失われて残りは10歯以下、総義歯も寸前という状態は最近めっきり少なくなりました。しかしここまで追い込まれたとしても、上下左右に犬歯かそれに準じる歯が残っていれば、義歯の具合はそれほど悪くなりません。上下左右4箇所に1歯ずつでもあれば万全ですし3箇所でも何とかなります。2箇所になると残り方で違いが出てきます。下顎に2箇所というのはまずまずですが、上下互い違いに1箇所ずつというのはちょっと困りものです。それでも1本でもあるとないとでは大違いです。
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