モグラのつぶやき
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カレンダ5月  「St.Tropez」サントロペも地名への憧れが強かった街です。コートダジュールの中心ニース、カンヌからは少し離れて、すぐ後ろを山に囲まれた深い入り江という地形はポルトフィーノとよく似ています。その上ここにはマチスやボナールから、ルネ.クレマン、ブリジット.バルドーに到るさまざまな物語に溢れています。メガクルーザーと呼ばれる超豪華なヨットやモーターボートが並んでいる光景は地中海そのものですが、小さな漁村から生まれたと思われる雰囲気は大切に残されているようです。人々の性格もフランス人、イタリア人というより地中海風です。


5月7日

 

 

 

顔なじみ

 学生時代、カメラ屋でアルバイトをしていました。やがて店のおやじが常連と一緒にカメラクラブを作ると、例会だ撮影会だと年長の人たちについて歩きました。フィルムや印画紙などはこの店で買えばよいのですが、カメラとなると別にメーカーへのツテが必要でした。
 住んでいた大岡山には電車の駅をはさんで2軒の運動具屋がありました。夏場は野球チームがはばを利かせているので寄りつかないのですが、秋口からは毎日なかを覗かずには通過できなくなります。誰かいれば入り込んで新しい道具のこと、テクニックの話などが始まります。こちらにもだんだん常連が増えて一緒にスキーツアーに出かけたりするようになります。店のおやじさんの性格でメンバ−の顔ぶれもも異なり、クラブにもそれぞれのカラーができてきます。
 診療室の近くには登山・スキーの専門店がありました。商品もお客のレベルも住宅地とは違って先鋭的です。店員もいつか分からぬヒマラヤ遠征のため、黙々と働いているような連中ですから一風変わっています。

 何の話をしたいのだ!とお思いでしょう。1950年代から80年代ぐらいまで、私達はこんなお店で買い物をしたり食事をしたりしていました。それぞれの店に出かけることは買い物半分、人と会って話をすること半分だったのです。ところがこうした楽しみを感じさせてくれる小さなお店が、ポツリポツリ姿を消していきました。始めは新旧交代か?などと思っていました。しかし波は次第に大きくなり、呑み込んだ大型店が、今度は呑み込まれる側に立たされるという繰り返しの中で、店の顔も人の顔も消えていきました。いま「顔なじみ」のお店で買い物をしたり飲食をしたりすることはほとんどできなくなりました。
 買い物ではポイントカードの優劣だけが店を決めます。安くておいしければ良いではないか!とばかり飲み屋のメニューも内装も新幹線の駅のようにモノトーンです。あの店で!あの人から!と心ときめかせた新型カメラの買い物も今はほとんど自動販売機です。こんな味気ない世界いつまで続くのでしょう?

5月20日

 

陶芸の丘 笠間

 1年ぶりで笠間の仲間のところに遊びにいってきました。ゆるやかな起伏が続くおだやかな地形、新緑の木々のあいだに光る水田、いつ来ても心休まる風景です。東京からたった1時間ですが、東海道とでは大きな違いです。3人の陶芸家の工房にもお邪魔していろいろお話をしてきました。60歳前後の方達でしたし以前にもお目に掛かったことがあるので、日頃のうっぷんがすっかり解消しました。
 それにしても昨年うかがった福岡県唐津の中里隆さんのお宅といい、笠間の方々といい陶芸家の仕事場は皆さん羨ましい限りです。作家としてのむずかしさ辛さなどは分かるつもりですが、環境の素晴らしさにはため息が出てしまいます。(もぐらのつぶやき2001.10.31)
 ただあの素晴らしい笠間に産業廃棄物処理場がやってくるのだそうです。19日はそれをかけた市長選挙でしたが賛成派の圧勝になったようです。せめてあの美しい丘陵や水田をぶちこわすことだけは、やめてほしいものです。

5月28日

 

ヨットレース

 世の中はサッカー・ワールドカップ一色のこの頃ですが、海の上でも熾烈な戦いが繰り広げられています。ウィットブレッド世界一周レースから、ボルボ世界一周オーシャンレースと名前を変えたヨットレースです。イギリスのサウサンプトンをでてケープタウン、シドニー、ニュージーランド、ホーン岬、リオデジャネイロなどを回って6月にはドイツのキールにゴールすることになっています。(NHK BS でも火曜日夜10時に放送されています。)
 最高時速50キロをこえるという高速ヨットには数々の秘密が隠されています。私たちがヨットレースをやっていた頃、船体は木からグラスファイバーに移り始めていました。ニス塗りの船体は美しいものでしたが重い船体でプラスティックに勝てるのは嵐の海だけになってしまいました。グラスファイバーの船体で重量は軽くはなったものの剛性が不足し、レース艇は次第にアルミに変わり始めたころ陸に上がってしまいました。
 その後もさらなる軽量化から船体はカーボンなどでも作られるようになりました。このレースの船体はコア材をケプラー繊維でサンドイッチして作られています。マスト類はカーボンファイバーですし、ケプラー繊維はセールにも広く使われています。先端的なレースでは青い海に白い帆という光景はずいぶん少なくなりました。ヨット船体は先端技術の粋をつくして作られていきますが、乗組員には優しい環境とはいえません。2本のパイプの間にキャンバスを張っただけのベットで、フリーズドライの食事をしながら1セクション20〜30日を過ごすだけでも大変です。暖かいところはともかく海水に洗われ氷山を見ながらのセーリングなど想像しただけで気が遠くなりそうです。

5月30日

 

MACRO COOL-LIGHT

 D100の発売も間近になってきましたが、どうも今度ばかりは心がときめかないのです。D1、D1Xに続いて3台目ですしD1Xからはまだ1年ですから当然かもしれません。重さ以外にはD1Xに特別不満がないことも購買意欲を減殺させているのでしょうが、最大の理由はF100の評価に甘えたネーミングです。F100とD100を並べて触ってみれば、誰でも製品の仕上げや操作感の違いに気づくはずです。
 D30のグリップ部分に感じたような代償を払っての700グラムのボディを認めたとしても、100という数字を見るたびに「F100はよかったなー!!」と思い出してしまいそうです。永久欠番とはいいませんが栄光に泥を塗られそうな気分が消えないのです。
 それに拍車をかけるように個人的お友達の希望退職、配置転換、脈絡を感じられない新製品の乱発などニコンは揺れ動いています。あげくの果てにMACRO COOL-LIGHT SL-1とかの発売です。われわれの開発してきた白色LEDが108〜159球でも暗いといわれてきたのに、たった8球で何が撮れるのか見ものです。ライバルとしては弱々しい相手が今頃ニコンから出てきたことには大いに気をよくしています。「ニコンがチラシを撒いてくれる!実用にならないことが分かったらお帰りは・・・・・・・」

 

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