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5月   キッツビエール
   トニー・ザイラー世代のわれわれにとっては、彼が生まれ育ったこの街には「白銀は招くよ」の名シーンとダブって今なお憧れの街です。生い立ちの記によく出てくるハーネンカムの滑降コースに立ったことはありませんが、インスブルックやザルツブルグのような都会ではなくこじんまりとしたたたずまいは、また行きたいチロルのNo1です。

5月20日スポーツあれこれ

   先週はスポーツというよりショーのようになった、女子バレーのオリンピック予選を見ていました。選手一人一人が入場してくる試合開始前のセレモニーなどはK1さながらでびっくりしました。ゲームの方は初戦のイタリアにフルセットで競り勝ってから波に乗り、難関の韓国戦にも圧勝してかっての日本女子バレー復活かと思われましたが、その後が??でした。全敗の台湾に1せットをとられロシアにストレート負けで、まさに竜頭蛇尾というフィナーレでした。良く解釈すれば同じ人間もモチベーション次第でこうも変わるということでしょうが、タレント化した選手のひ弱さとも考えられ、日本社会を見るような気もしました。

「太い薪だけで火はつかない」1ヶ月ほど前のスポーツ欄、豊田泰光さんの台詞です。
具体的な名前はありませんでしたが、NYヤンキースがもたついていたり、レアルマドリードが優勝できなかったり、日本の4番打者コレクターズが看板倒れだったり、その通りのできごとが続いています。ヤンキースの方はあのトーリ監督のこと、それなりにまとめ上げられるでしょうが、日本の方はオーナー監督を入れ替えても、チームにはならないでしょう。
5月25日GC友の会 東京講演会
   5月23日の日曜日、朝8時半の準備から夕方5時まで長い一日でした。しかしこの企画当初にはまったく予想もしなかった1000人をこす方々に参加して頂き、やり甲斐のある講演会になりました。新奇性より日常的な臨床の話題を!という私たちの思いが通じる方がこれほど沢山いらしたことにはびっくりしました。さらに10時半のスタートから閉会まで途中で席を立たれる方がまったくなく、終始熱心に聞いて頂けたことは本当にうれしい限りでした。主催者も演者一同も「こんな講演会は初めてだ!信じられない!」と口々に絶賛する素晴らしい聞き手の方々にあらためてお礼を申し上げます。
 近年われわれ身内では、臨床歯科を語る会の低迷や基本ゼミの苦戦など元気の出る会話に乏しく、暗い話題一色の歯科界全体ともども梅雨空ムードが続いていました。自分自身の問題でもあるのですが「みんなが元気になってもらえるようなセミナー」を密かに願っていましたが、反対に大きな元気を頂きました。
5月26日個性喪失時代

   中央通りにあった交通公社京橋支店が店舗統合でなくなって、後にできたのはカフェとコンビニです。周辺には同種の店が溢れかえっています。小さな路地を含めて角地はすべてコンビニといっても良いでしょう。ローソンだ、セブンイレブンだ、ファミリーマートだといっても、店内に入ってしまえば商品も陳列法もそっくりですからその違いは分かりません。お客も無口ですがフリーターらしいレジの台詞も、一日中あれを繰り返すのは辛いでしょうが、人間が喋っているとは思えません。
   こうした傾向が最初に気になりだしたのは新幹線の駅舎です。在来線の駅にはそれぞれの土地の香りがありましたし、ホームの弁当屋さんやそば屋などにも地方色がありました。
コンビニにしても大手チェーンでない店には、味噌や豆腐をおいてあったり、おにぎりやサンドイッチにも変わり種が混ざっていました。しかしこうした店は必ず消え大手の看板に塗り変えられていくのです。
「生き残るには大量生産、大量販売以外にない!」という市場原則ですべてのものから個性が失われていきます。同じメーカーの製品の中でも、開発者の意欲が感じられ愛着を感じていた製品が先に消え、見向きもしたくないものばかりが増殖してくるようなけがしてなりません。
5月31日転生回廊「聖地カイラス巡礼」2

   地方紙とはいえ新聞社が1年をかけ、膨大な紙面を割いて連載してきた作品ですから、ヒットは当然かもしれませんがうれしいレポートです。県内では発売後2週連続第一位というような記録も打ち立てながらの全国区進出のようです。
   この本の誕生までにはいくつかの曲折があったはずです。ことの始まりには写真家寺田周明氏として、前作サヘールと同じ横長の写真集のイメージがあったはずです。しかし最後にまとまった「転生回廊」は縦書き、縦長の書籍です。横長の写真は見開きのため中央で分断され、さらに6枚の写真は七夕の飾りのようにカットされて掲載されることになりました。その無念さが二つ折りの表紙、裏表紙というアイディアや、あとがきの後ろに並ぶ画像一覧から読み取れます。
   さらに文章家としても並ではない同氏が、今回はスパッと青木新門さんに筆を譲られたこともプロデューサーとしての凄さを感じます。思いをより明確にするためには自分は引いても最適の人に委ねる寺田戦略の極意です。二つのそぎ落としによって転生回廊は、写真集を遙かに超えた高みに舞い上がりました。

   GCサークルにも青木新門さんが「歯科医とカイラス巡礼」という小文を書かれています。その最後に下の文があります。ところが、2つ目の「・・・」内の言葉が青木さんのものなのか、寺田さんのものなのかどうしても私には分からないのです。

「現場に立つということは大切ですよね」
SPIRITUALな感動から我に返って私は言った。
「歯医者も、現場での人と病気の診断、個別対応がすべてだ。パターンかされた治し法などない。人間の数だけの治療法があるから、ヤブ医の逃げ道もその辺にある」
寺田さんはにやっと笑って、白く光るヒマラヤの山並みを見遣っていた。


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