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4月   ボラボラ
   高くそびえる火山島の周りにネックレスのようなリーフ、これほど完璧な地形条件をそなえた島はなかなか見あたりません。観光化の波を大きくかぶりつつあるといっても、タヒチに来てこの島に立ち寄らずに帰ることは勇気がいります。この島はソサエティ諸島の中ではもっとも西に位置していますが、リーフの中に入る水路は西側に1ヶ所しかありません。ライアテアからはリーフの外側をぐるりと回り込むことになります。リーフの外で帰途につくヨットとすれちがい、セールを上げてくれるのを待ちかねてシャッターを切りました。。

4月3日スーパーカー誕生
   昨夜、途中からですがスーパーカー誕生の舞台裏をテレビで見ました。ピニンファリナのカロッツェリアで、チーフデザイナーとして活躍する奥山さんの記録ですが、どちらかといえば言語にはなりにくい感覚的な問題を、若手デザイナー達とイタリア語、英語チャンポンでやりあったり、細かな曲線を3次元的に組み立ててコンセプトを表現する厳しさにはびっくりしました。
   またかって彼を抜擢した副社長が、車のデザインではなく怪獣などを描いた奥山さんのイラストのラインを評価して、フェラーリのコンセプトカーのデザインを任せたということも信じられないような話でした。
4人のデザイナーの競合が1本に絞られてからの模型作りでは、発泡スチールの表面をさすりながら曲面を仕上げていく職人の仕事ぶりに、何かわれわれと共通のものを感じました。
   トリノの街の紹介では、シュツットガルトとは全く違うイタリーらしい雰囲気に惹かれました。ジュネーブ、ミラノ、ニースなどすぐ近くを何度も通りながら、跳ね馬やマセラティの本拠をチラリとも見てこなかったのを残念に思いました。
 製作費1500億とかいう金額は想像もつきませんが、怪しげな妖怪が入れ替わり立ち替わり登場する企業買収劇にうんざりしていた時だけに、究極の物作りの話はすこぶる新鮮で,その第一線にたつ人から大きな勇気を与えられました。 http://www.pininfarina.it/

4月4日La Mer
   先日インプラントの講演で来日されたDr.P.Khayatから La Mer という写真集を頂きました。数年ぶりの再会でしたが、日本では柳川、伊根、フランスではオンフルーなど一緒に旅をしながらいろいろなことを話しました。そうしたことからこの一冊を選んで下さったと思いますが、何と4.5キロという超ヘビー級の写真集をはるばるパリから運んで頂いたことにも頭が下がりました。
   内容がまた超弩級で海にまつわる素晴らしい写真で埋め尽くされています。サントロペやポルトフィーノなど静かで雰囲気たっぷりの写真もあるかと思えば、荒天のヨットレース、ヘリが飛ぶことすら難しそうなレースシーンが後半を埋め尽くしています。南の海をぷかぷか流れながら撮ったカレンダーの写真とは全く違います。たぶん世界一周レースだと思いますが、巨大なトリマランが海面を飛ぶように疾走していきます。ただ勝つことだけを目指してスポンサーを探し、海に出て行くヨットマン達です。彼らがいなければこのカメラマンも写真集もなかったはずですが、こうしたイベントに巨額の資金をつぎ込んでサポートする社会も日本とはだいぶ違います。
   バンコック在住の患者さんのお話では「ヨーロッパからの長期滞在客は避寒地としてホアヒンに変更した人が多いようです」とのことです。かってパタヤもプーケットもこうして開発されましたが、万博に弁当を持ち込むかどうかでもめている国とはどうも少し違うような気がします。
 価格はだいぶ違いますがドイツ語版は日本でも入手できるようです。

4月4日真鶴あれこれ


   エイプリルフールが終わってスーパーカーから現実にひき戻されましたが、一月ほど前、真鶴の家の前に突如、空にそびえる4連スピーカーが出現しました。タイミング的にはスマトラ島沖地震の教訓ということかもしれませんが、海抜は丁度100メートル、周辺に居住している人はごく少数です。より広域へのアナウンスを考えているとすれば、その足下の人間は飛び上がるほどの大音響になることでしょう。桜の開花はまだですが満開のあかつきには異様な光景になりそうです。湯河原町への合併をめぐって、町長選挙の混乱がこんなところにも落とし子を残したのかもしれません。

   家の中では、物置の屋根に上げたままの風呂桶がいささか気になっていました。素人大工で板囲いを始めましたが、今度はベースになっているベランダの損傷が気になりだしました。見かねた大工さん親子が、腐りかけた床板と手すりを補強してくれたので「崖下に裸の老人が・・・」などという悲劇は回避できそうです。
1.は軽トラからの配管、2.は屋内浴槽との間を行き来させる配管、3はヒーター、ポンプ用の屋外コンセントで、リモコンはありませんが使い勝手はなかなかです。
竹藪をわたってくる風に吹かれながらの入湯はまことに快適、次期工事は後ろの手すりにヘッドレストを取り付けようかと考えています。最後に風呂の栓を抜くと物置の屋根を滑り落ちて時間限定の打たせの湯が出現しますが、この時はダッシュして外に回らなければなりません。

4月12日反面教師
   大樹の下に美草無し」ということわざもあるように、優れた教師の下に良い人材が育つとは限りません。これに対して反面教師の下にはしばしば、ボスを除いてよい人間関係が生まれ、優れた人材を輩出するケースがあります。どうしてこうなるのか不思議でしたが、ふと思いついたことがあります。
 反面教師の行動は誰が見ても見苦しいのですが、反面ああはなりたくない!ということで多くの人に分かりやすいという特徴があります。教師の力は絶大ですからこれに抵抗し反発するにはスクラムが必要です。憩いの場を求めて相互に仲間をいたわり合う場も不可欠になるでしょう。同じ釜の飯を食ったという戦友意識から連帯も生まれ、仲間を理解することにつながります。ああはなりたくない!をまとめていけば自分の将来像も見えてきますから、個人個人の中にも明確な目標が形成されます。
   これに対し大樹の方は毎日その姿を眺めていても、どうすればそれに近づけるのか見極めることは容易ではありません。自分が大樹の蔭に入っているかどうかも草の立場からははっきりは分からないでしょう。ヒントはあるはずですし、賢明な人はそれを取り込んで自分の糧にしていくでしょうが、あくまで個別的で連携によって同じような何かを得ることはできない相談です。
   反面教師を礼賛するわけではありませんが、その存在は全人的で分かりやすいという意味では、大きな成果を生む可能性があることに納得しました。

4月19日春キャベツ
   桜とともに春野菜満開のシーズンです。蕗のとうやタラの芽はその王様格ですが、いつでも手に入るというものではありません。だからといってハウスものでもという気分にはとてもなれません。規格品のようにどれもが同じ形で箱詰めにされた姿も哀れですし、何より山菜らしい香りがほとんどありません。そのくらいだったらこの時期に出てくる春キャベツの方がよほどましです。同じキャベツでも冬キャベツとは違って、巻きはゆるく形も今ひとつですが味や感触は抜群です。料理法なんて特別なことは何もありません。外側はただ千切りにしてキャベツだけの野菜炒め、芯に近づいてきたら手でちぎって一夜漬けにします。
レモンのスライスを少し入れ、食べるときに大葉を散らせば馬のように食べられます。
 ゴールデンウイークに出かけるときには何時も荷物の中にしのばせて行きました。ヨーロッパでもタヒチでも大好評、一個のキャベツを大切に何度も味わいました。こういうキャベツを知らない欧米人は本当に気の毒です。
 山小屋やヨットでよく食事を作るのですが、どちらも時間をかけて作ってはいられません。スキーをして帰ってくればビールのつまみが必要です。お腹も空いていますからもたもたしてはいられません。ましな食事を用意しようとなれば自分はスキーを諦めねばなりません。ヨットレース中の食事はもっと過酷です。時化ている海ではみんな船酔い寸前であまり食欲などないのですが、食べないわけにもいきません。余裕のある者が食事を作るのですが、キャビンに入って料理をしていれば間違いなく自分がマグロになってしまいます。

4月22日老眼鏡
   サングラスをかけるのも鬱陶しいと思っていたのに、老眼鏡が離せなくなって○十年になる。今でも細かいものを見るとき以外は眼鏡はいらないのだが、このことが大きな問題で、ぽいとメガネを外してはどこに置いたか分からなくなってしまう。こんなに探し回るくらいなら!と胸ポケットを非常用に医院内だけでも3つぐらい置いてあるのだが、時とすると胸ポケットのケースの中も空という事態が起こる。院内の行動範囲はそんなに広くないのにこの始末なので、リモコンのボタンを押すと点滅したり音が出るような小さな受信装置ができないかと、来る人ごとに相談したこともある。
誰も相手にしてくれなかったが、最近では「またおれのメガネを誰か隠したろう」とわめきちらすと、たたちどころに2つぐらいスタッフが届けてくれるので事なきを得ている。それでも日に2度3度となると気が引けていたところ、ヨットの雑誌に面白そうな老眼鏡を見つけた。紐で普通の老眼鏡をぶら下げる方法は外したとき邪魔で没になったがこれなら良さそう。通販では時々失敗もしているが形も面白いしそう高くもないので発注してみた。逃げ隠れされないように色も赤にした。
   今朝着いたばかりなので十分な観察期間とまではいえないが、一目惚れで大いに気をよくしている。一番喜んでいるのは濡れ衣をかけられなくなったスタッフ達で横目で見ながらニヤニヤしている。これを三色揃えれば万全だ。

4月25日地獄と天国
   3週間ぶりで真鶴に出かけました。早速、軽トラで伊豆山へ。出始めは温度が下がっているので、いつものようにお湯のコックを暫く開けて流していました。ところがいつまでたっても温度が上がってこないのです。これはおかしい!と辺りを見回すと隣の浴場に電気がついていないことに気づきました。管理人の安田さんが風邪でも引いたのかなと入り口に回ってみると、出入り口はすべて締め切りで何やら張り紙が出ています。
   この温泉、地元の人が組合をつくり運営していたのですが、理事会でいろいろもめているという話は聞いたことがあります。しかし3週間前には特別何も聞かなかったので、どうやら老朽化した設備が突然故障し、再起不能になったらしいことが分かりました。回数券は払い戻す云々とも書かれていましたが、こちらはそういう問題ではないのです。
   そんなこともあろうかとバックアップは考えてきたのですが、お湯はやはりここが一番で通い続けていたのです。車さえ持って行けばどこからでも給湯できるといってもホースなど多少の仕掛けが必要で、暗くなってあちこち探し回ることはできません。この日は諦めるとしても明日には何としても復活させなければならないので、まずは熱海の顔見知りのホテルに泣きつきました。「これこれしかじかで何とか・・・」ということで翌朝を約してトボトボ帰途につきました。
空荷の軽トラはいつもの帰途とは違って快走しますが、「これで一巻の終わりになったら!」という暗澹たる気分とは対照に、海には満月が輝いていました。帰り着いて窓から外を眺めると口惜しいので、雨戸をたてたまま芋焼酎を呑んで寝てしまいました。

    翌朝、一部始終を聞いたホテルの総支配人から快諾の電話。天気も前日より良さそうで一日遅れの月夜風呂に万全の支度を調えました。写真撮影にはちょっと苦労しましたが気分は最高でいた。

4月27日タラの芽
   別にねだったわけではないのですが、キャベツしか食べられない都会人を気の毒に思ってか新潟からタラの芽が送られてきました。天然物といってもこれほど見事なタラの芽は近年見たことがありません。大きさといい色つやといい食べてしまうのがもったいない姿形です。送り主は山歩きの達人で先日も蕗のとうを送って頂いたばかりですが、この人にかかっては雪のない時期の山の中は食材の宝庫なのです。雪解け直後の蕗のとうから始まって、山椒の芽、タケノコ、自然薯から秋のきのこまで山の幸については、いつも脱帽するばかりです。とくにキノコについては生き字引そのもので、周りの人たちからも「これは食べられる?」と問い合わせしきりのようです。生まれは私とまったく同じなのですが、若手でも獲物を見つけることはおろか、後ろについて歩くことも大変だそうです。
   「キノコ取りにいって山の中で飲むみそ汁が抜群だから・・・」と再三お誘いは受けているのですが、熊が怖いとか何とかいいわけを言って山の急斜面も上り下りせずに、いつもありがたくご馳走にだけはありついています。それにしてもこの感動を独り占めはできないので、お裾分けの引き立て役として、今朝、築地の市場で仕入れてきたのが下の写真です。これだけで決してお店に並ぶような代物ではないことはお分かり頂けるでしょう。 (残念ながらPSDでは写っている褐色の肌の輝きが、 JPEGでは消えてしまいます。)

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