モグラロゴ


5月   タハ
   タハはチャーターヨットのベースのあるライアテアと一対の島で、この写真の背景の水道をはさんで対岸にライアテア空港があります。丸い小さな島ですが、紅葉の葉のように中心部まできり込む入江があり、その方向がさまざまですから必ず風の影響を受けない場所があり泊地としては最高です。その入江の一つから出てきたところで、ゴーギャンの時代にタイムスリップしたような光景に出会いました。


5月1日光学ファインダー
   カメラのファインダーには人一倍こだわってきましたが、ついに来るべきものが来てしまいました。「デジカメに光学ファインダーは不要!」というご宣託です。現行のデジカメの外寸と2.5インチのデイスプレーという動かしがたい条件の中では、こうなることはやむを得ないと思っていましたが、大メーカーの主力機種がこれだけ一斉に変わってくると、これは変化ではなく革命です。

 一眼レフは大丈夫!と思っていても、こちらもファインダー軽視はとっくに始まっています。重く高いガラスのペンタプリズムは普及機には使われていません。とても買えっこないプロ用の機種をのぞいたら、まともなファインダーをもつデジタル一眼レフは数えるほどです。「いくらブツブツ言ったって、もうあんたの時代は終わったんだ。!」といわれているようです。

 やむなく虎の威を借りてプロカメラマンの望月宏信さんのブログから引用します。この方の写真の美しさにはいつも感心していましたが、先月辺りからブログに転向され、この分野でも素晴らしいサイトになりました。わが「土竜のトンネル」もそれにあやかりたいと真似をした次第ですが、本家は海外、旅行、写真の3部門で堂々のトップで、文字通り足下にもおよびません。

 以下、望月さんのコメントです。(一部省略)
いろんなカメラがありますが、選ぶポイントは「ダイナミックレンジ」の広さなのです。明るい所と暗い所が、両方どこまでちゃんと表現されるかが重要です。今や「画素数」なんて、たいして重要ではありません。簡単に言えば、原則として撮像素子(CCDやCMOS)が小さいほど、レンジが狭いと考えて良いでしょう。もっと簡単に判断するなら、強引な言い方ですが「カメラが小さいとダメ」。一眼レフのように大きなカメラほど写りがいいのです。

 気楽にパシャッと撮ってキレイに写るカメラが求められますね。ところが、気軽に撮りたい人は当然「小さいカメラ」を使いたがります。ここがどうしても矛盾する部分。プロならコンパクトデジカメだって写真集出せます。シロートさんほど余裕のある性能のカメラを使って欲しい。それのが楽です。

5月7日ゴールデン・ウイーク


   マダガスカルの反動というわけではないのですが、この連休は暦通りの休みをとり、2日と5日じっと真鶴にこもっていました。この家ができて20何年かが経つのですが、もしかしたらこれが初めてのことかも知れません。

 これだけじっとしているとさすがにいろいろのことが片づきます。雑草との対決も前半でめどがつきましたので、余勢を駆って初めての道路の清掃にまで繰り出しました。両側をにたまった落ち葉が腐葉土になっていますから、箒や熊手でというわけにはいきません。むかし砂利運びをした一輪車も繰り出して、ガードレールの外側に排出しましたが、登りは軽トラでもローギアに入れる急斜面が含まれるのでかなり腰にきました。

 連休後半は地震で出鼻をくじかれ、小田原駅で足止めされたり不穏な始まりでした。体力を温存し、少し前から始めていたグランドピアノ跡地を使っての家具の再配置を仕上げ、たまった建材からTシャツにいたる不要品の処分に奔走しました。来客にはウッドデッキのステイン塗装を頼むなど、ひとのふんどしも有効に活用しました。

   このくらい日数があると食事の支度は楽になります。作り置きをしたりさまざまな食材が仕込めるからです。週末だけですと残さないことが優先で1品か2品で済まさなくてはなりませんが、後半の始まりには5日分と思うとのびのび買い物ができました。
大勢の来客となるとどうしてもバーベキューだ、鍋だと言うことになってしまいますが、2〜3人ならば多少は準備をする余裕も出てきます。

 連日、風は休みなく吹き続けましたが、好天に恵まれ快適な休日でした。最後にきれいになったデスク上に、直前に入手したMac book proと古いディスプレーをセットし、機能点検をして帰ってきました。久しぶりの東京駅のホームが懐かしいような感じがしました。
5月10日全頭検査
   発売秒読みだったRef 97ですが、背骨混入が見つかり全品返送、再チェックになってしまいました。
 Ref 97はガラスの表面ミラーなのですが、そのカット面の仕上げ不良が見つかったのです。国内のことなら宅急便で送り返し電話1本で済むことなのですが、海外となると連絡はメールでついても現品往復には日数がかかります。こちらで手直しができないことではないのですが、今回は初回ロット。頑固なドイツ野郎になめられたら後々まで尾を引きます。検査態勢の不備を強くアピールすることは絶対に必要なのです。
 連休直後の製品到着に合わせ、包装の段取りなども進めていただけに残念なのですが、やむを得ません。新しい発売予定は1ヶ月後の6月15日です。

5月12日ハイブリッド・セラミックス




   先日以下のようなメールを頂きました。興味深い内容ですし送られた方にご迷惑はかからないと思われるので、ほぼ原文のまま紹介させて頂きます。

この度HPを拝見しまして、質問メールを送らせて頂きます。
お時間がある時に、ご返答頂ければと思いますので、宜しくお願い致します。

<質問>
十数年前に治療した歯を、これまでのメタルインレーの詰め物から、ハイブリッドセラミックの物へ変えるインレー修復をしました。その理由は、「金属の詰め物(銀)が腐食し始めている。歯の色もくすんでいるので、中で虫歯が進行している可能性がある」とのことだったからです。全く痛みの無い歯ではあったのですが、予防処置の意味合いもあったので、治療をお願いしました。 しかし、治療した歯はどれも調子が悪いです。例えば噛むと痛む、水がしみる、フロスを通すと引っかかりバサバサになるなどです。少なくとも今回の修復で歯をだいぶ削られたので、今後どんな治療が考えられるでしょうか?
 修復がかえって、歯の状態を悪くしてしまったと後悔している毎日です。

 10年ほど前、あるメーカーが自社の製品にこの呼び名を使い始めた時から、誤解を招くから使うべきでないといい続けてきました。しかし、その誤解こそがメーカーの狙いで、製品は売り上げを伸ばし、ハイブリド・・・という用語は他社メーカーや歯科医も広がってしまいました。しかし製品自体はフィラーの混入量を増やしたコンポジット・レジンに過ぎないのです。生まれも育ちもレジンに過ぎないのに、如何にも新しいセラミックスかのように見せかけるネーミングは詐欺商法に近いものがあります。アヒルにしかなれなかった小ガモが白鳥だと言い張るのにも似ています。

 たしかにこの10年ほどの間に硬質レジン(これが本来の名前です)もかなり進歩し、硬さだけでなく色調もかなり良くなりました。あまり頑固一徹なのも・・と、メタルフレームなしのクラウンを製作してみました。セラミックのクラウンであれば接着後に咬合調整するのですが、レジンだからと適合を確認しバイトをチェックしようとした時です。ピシ!と微かな音とともにご覧の通りです。
 摩耗を少なくと固くすれば割れるのは当然ですが、こんなに脆いとは!。オール・セラミックスと同じ気遣いが必要なら、こんな材料使いたくありません。技工の手間だってそんなには変わらないし、何といってもセラミックスには長い実績があります。  アヒルはアヒル、ろばはろば!出番を間違えると惨めです。

5月17日拾う神と顕微鏡




   4月26日にレポートしたエルモの資料提示装置DT 70の続編です。これまでは、暫く使っては見るものの「やっぱり顕微鏡の方が!」と没になっていたのですが、今回は1ヶ月が経過してもその傾向は見られません。それどころか、ニコンの顕微鏡を押しやってテレビモニターが作業机の中央に移動し、すっかり主役になりすましています。時折のぞきに出かけても、もう手を止めて隠したりするようなこともなく、はたで見ていても画面の安定感は抜群、今度はこちらがチェックされる立場です。
「もう顕微鏡はいらないの?」
「処分されると困るけど慣れなければいけないと思って。」
「別に無理しなくても良いんだけど」
「やっぱり自閉症になるのは困るから・・・」
と模型のトリミング、スペーサーの塗布、鋳造体の適合と大車輪の活躍ぶりです。こちらもあまり見られなかった技工作業の最前線が見られ大いに参考になります。何しろチーフがLeicaの顕微鏡を覗き込んでいる時は、うかつには声もかけられない雰囲気ですから。

5月22日デジタル写真セミナー
   2回目のセミナーが終わりました。
・これからデジタル一眼レフを買おうとされている方
・スライドの資産をデジタルに引き継ごうという方
・院長や先輩が作られた細かな虎の巻に忠実にしたがって撮影をされ ているスタッフの方
・これからもスライドを撮り続け必要なときはスキャナーでデジタル化するというテクニシャン
・術前と術後や、新旧2機種の色調不統一に悩まれている方
・RAWデータの実態と使い勝手を見たいという方
・貯まったデータの整理とバックアップを心配されている方
年代も撮影歴もさまざまな方々がいらして、そのできるだけ多くに対応したいと考えたので大変でしたが良い勉強にもなりました。

 スライド時代から、歯肉の色と歯の色にこだわる歯科医、技工士の感覚は、それらの色調についてはかなり厳しいものがあると感じていました。今回の準備中に、そうした要求のベースが、常に2つのものを着き合わせて比較する日常からきていることに気づきました。シェード・テイキングなどがその典型ですが、患者さんの要望も隣在歯との比較が中心ですから、歯科医、技工士が対処しなければならないのは当然です。
 印刷や広告なども色には厳しいでしょうが、専門職もいるでしょうし色数の多さに救われることも多いはずです。シェードガイドに見るような細かな色のステップを、異なる素材で再現するのは大変なことですが、同じような要求を日常のデジタル画像に求めても無理なような気がします。
 私はこの数年間2台のディスプレーを並べて使っていますが、どの世代でも2台の調整がうまくマッチしたことはありません。デスクトップからノートへ、そしてプロジェクターへというステップでも色調が目まぐるしく変わるのは、誰でもがいつも経験するところです。ディスプレーのカラー調整器機も何度か試しましたが満足できる結果は得られていません。スライドのように固定されたものがなく、すべてかが容易に動いてしまうデジタル画像は、その反面、任意の調整には広範な知識と大きな努力と経験を要求されるのです。

 久しぶりにスクリーンに近い場所に座ってプロジェクターの画像を見ていると、その画像の荒さにはげんなりします。デスクトップで画像を作っているときには100%以下で見ているのに、映写時には同じ画像を数百パーセントか1000%近くにも拡大されているわけですから当たり前のことですが、スクリーンわきの演者席は針のむしろです。ついついレザーポインターを忘れて、ノートパソコンの画面に逃げ込みたい気分になってしまいます。プレゼンには丈夫な心臓と厚い顔の皮が必要です。

5月24日カメラ業界
   思い思いの形をしたデジカメが続々登場した1998年頃に較べると、最近はその姿形もメッキリ落ち着いてきました。小型の方は前面に3倍ズーム、裏側は25〜30インチモニターが定番で、手ぶれ防止、ISO高感度化もお揃いで進んでいます。
 一眼レフの方も入門機はレンズ付きキットで価格も横一線という感じです。3番手のペンタックスも1000万画素機を発表したかと思ったら、手ぶれ防止着きの新シリーズのK100Dも発表、懸案だったRAWデータにもSILKYPIXの援軍を迎えるという必死のくい下がりを見せています。istDS2だistDLだとややこしかった型番が整理されることは歓迎されるでしょう。同時にお得意の超薄型の広角レンズも発売されるようですが、この辺がカメラメーカーの生命線になっているようです。
 まずはレンズキットと称して、出血価格でも新規購入者に安いズームを提供する。ここまでは採算度外視でシェア拡大です。自社マウントのボディを押し込んでしまえばもう他所にはいけません。この後に魅力を感じさせるレンズを売り込んで利益を生み出そうという戦略です。K100Dは7万円台半ばといわれていますが、広角レンズの方は5万円台前半だそうです。どう考えてもカメラの方が割りが悪そうです。
 この商法はすでにニコンもキャノンも大々的に展開しています。30Dと同時発売した手ぶれ補正着き17〜55ミリのズームレンズも、15万円ですからカメラの価格ととんとんです。デジタル1眼レフのボディは、その後のレンズを買って頂くためのレジ袋になったのです。  Nikon D1に心ときめかせていたのは遠い昔、デジカメ世界も面白みがうすれ、もぐらの餌にもならなくなりました。

追記
一夜明けたら米国で標準ズーム着き$600以下で、 K110j 発表とか。型番もレジ袋の話も推測通りです。(ちょっと自慢)

ここで漁夫の利を得ているのは、かってサードパーティとしてバカにされたり意地悪をされていたタムロン、シグマなどの交換レンズメーカーです。レジ袋を作るリスクも面倒もなく、その中に入れる美味しい商品だけを販売すればよいのですから手間暇いらずこの上なしです。N社、C社はともかくP社以下にとっては、ほんとにしゃくに障るでしょう。何となく自然界の食物連鎖や、寄生動植物の話に似ていませんか。

5月26日ゴリラとイチジク




   今週は2本のテレビ番組に釘付けでした。逆光のなか水しぶきを上げて湿地帯を疾走する、ゴリラの躍動感には目を見張りました。暫く姿を見せないゴリラを探して森の奥に入っていったときの、エボラ出血熱で大量死した骸骨が散乱する森のシーンには息を呑みました。2時間の番組があっという間に終わりました。  翌日はいちじくとイチジクコバチが主役で、2年間、森の川辺でキャンプしながらの撮影でした。イチジクの実を求めて体長1ミリのコバチから象やキリンまでが集まってきます。さまざまな昆虫、動物、鳥、魚、ワニそれぞれの生態が、小さな物語として展開され、全体としてはオムニバスのように綴られているのですが、その歯切れの良さ、意外性たっぷりの場面転換には思わず声を上げてしまったり、ことのなりゆきに引きこまれて体を硬くしたりの連続でした。  とくに口腔内撮影は抜群の上手さで、雨期とともにナメクジが出てききたという話かと思ったらキリンの舌だったり、イチジクを食べる象の大臼歯1歯がアップになったり、滝の下に潜むワニの歯列に魚が吸い込まれるシーンなどでストーリーが転換していくのです。  ご夫婦とともに12〜3才の子供達も同行していたようですが、ネックレスなどマサイ族の子供達にすっかり同化して、赤土の斜面を滑りおちて川へ飛び込むシーンなどは別の意味で印象的でした。  ともに、もう一度みたい番組の最右翼です。

5月30日背面モニター




   私自身はそろそろ2年ほどRAW+JPGでの撮影を続けていますが、セミナーなどに見えた方とお話ししていると、すべての方にRAWデータを推奨することは難しいと感じます。問題はカメラよりもパソコンやソフトの問題で、10年以上も毎日Photoshopを使ってきた人間が「簡単ですよ」というのはあまりに無責任だと思うからです。ただ多くの方がデジタル画像のバラツキに悩んでおられることも事実なので、そちらへの対策も考えないわけには行きません。
 20DからD200になって背面モニターの視認性は大幅に向上しましたが、そうなるとこれで画像の正否を判断できないかと思い始めます。そんな時あるカメラ雑誌で写真のような特集をやっていました。10機種の比較ではD200はダントツのトップでした。フルサイズの機種なども凌いでの結果ですから気分は悪くありませんが、だからといって私にはあまり役立つテストではありませんでした。

 いくら見やすくなったといっても、1.8インチで写っているかいないか、明るいか暗いかだけを見ていた時と基本的に大きな変化はないからです。画像の内容を判断するには背面モニターはあまりにも非力で、色の彩度もコントラストも低くすぎます。ヒストグラムを併用してもリングストロボの画像の判断にはあまり役に立ちません。カメラの調整も明るさ暗さの5段階だけで、コントラストなどはありませんから、過信すると判断ミスにもつながりかねません。ケーブルでつないで壁掛けテレビに映しだしてみればその差は歴然です。

 歯科用途の写真はいつも2枚以上をつき合わせての比較です。術前術後、口腔内と模型上、長期経過などなどほとんど1枚だけで見るとことはありません。そしてその両者の画像が揃っていることが必要なのです。歯肉の色も歯の色も片方ずつなら見られてもつき合わされてはたまりません。僅かな赤みやイエローも誰でもが気がつきます。シェードガイドなどというツールはこの難しさから生まれたものです。  一般の風景写真などでは1枚の画像をとことんまで突き詰めることはあっても、比較して揃えることは稀なはずです。われわれだけが常に現物合わせを繰り返しているのです。スライドの場合は大半があなた任せでしたからやってこれましたが、デジタルはいじれるだけにきりがありません。カメラの背面モニターから始まって、デスクトップ、ノートパソコン、プロジェクターと渡り歩く間に同じ画像も千変万化です。その変化に振り回され多大な時間をとられることからは何とか抜け出したいものです。

 05年9月20日付けのデジタルスクエアに、RAWデータ調整法のアイディアを書いたことがあります。
その後いつも実行しているわけではありませんが、ホワイトバランスツールを使う方法はきわめて有効だと考えています。多くの人が多用しているJPGでも同じようなことができないかと考えてきましたが、トーンカーブやレベル補正についているスポイトツールでも、似たような使い方ができそうなことに気がつきました。
まだ日が浅いので確定的なことは書けませんが、近々公開できると思います。


[ 前月のコラム ]

[もぐらのつぶやきトップページへ]