|
![]() |
| 2004年その3 |
| こだわるからこだわらない 今更、誕生日祝いでもないのですが、今年もよく働いたご褒美にEos 20Dを買いました。「あの頑固じいさんもとうとう魂を売ったか。」といったさまざまな雑音や顔ぶれを大いに意識しながらの決断です。ただ自分自身には納得して踏み出したかったので前回の反省文にもなったわけですが、続きの文章も書きながら同じような昔の出来事を思い出しました。 1964年から使い始めたPentax SPに、フラッグシップともいうべきLXが登場しましたには1980年のことです。シェアーは大きいが普及機メーカーと思われていたPentaxの快挙に喜んだマニアは多かったはずです。ペンタプリズムも交換できNikon Fにも対抗できそうなカメラの登場に小躍りしました。ワインダー、リングストロボなどの周辺機器も開発され、その後10年は安定した時代が続きました。ところがバブルさなかの1991年、さまざまな電子制御装置を内蔵して登場した、Z1というクラゲのようなモデルが発表されました。写真はその後再三モデルチェンジを繰り返したZシリーズ末期のモデルですが、それでも初代の醜い面影はとどめています。悶々とした日々の後ニコン801への移籍が決まりました。 カワハギに続く第2のキーワードはこのくらげです。自然界には直線はありませんが魚や動物などすべて美しい曲線で形作られています。(特に若い間は)ところが人が作った曲線はどうもいけません。ジェット機やレーシングカーなど、機能面から絞り込まれた物をのぞくと気持ちの良い曲線は少ないのです。 | |
| ライカも往年のニコンFなども直線主体の簡潔なラインをもっています。 第3のキーワードは縦横比です。昔のカメラはフィルム給送の必要から左右対称に近く、パトローネぎりぎりに作る必要から厚みもありませんでした。巻き上げ装置などギア駆動が少なくなるとともに、形の自由度は増したはずなのに横幅は短く高さ厚さは増してサイコロのようになってきました。しかしスライドの3×2と小型デジカメの4×3では前者の方がバランスがとれていますしテレビも横長に変わりつつあります。こうした視点で各カメラを眺めて下さい。D1からD100までのお手本になったF100は昔のよき時代の面影を残してまとまったデザインです。もちろんフィルムkカメラとデジタルを比べることの無理はありますが。 キャノンも昔は他社以上に角張ったカメラを作っていました。レンズの素晴らしさなどは万人の認めるところで、ニコンはその後ろ姿さえ見えない状態がズーッと続いています。ところが何時しかクラゲの毒が回って海坊主のような高級一眼レフばかりになってきました。 もてあまし気味の休日で長くなりすぎましたが今日の結論です。カワハギだクラゲだ海坊主だと憎まれ口は聞いていますが、今頃中途半端なD1Xを出したりするニコンに明日はないでしょう。噂のD200にしてもがっかりさせられることは見えています。ペンタックスは今年9万,来年7万では買いたいカメラになろうはずもありません。歯科業界を手玉にとっているミノルタにしても逆転はないでしょう。不良在庫供給メーカーとしてフジフィルムと仲良くやれるでしょう。 そんな中で20Dに注目しました。ちゃんと着る物は着ていますし、姿形もあのF100に一番よく似ています。シャッター音などもD70などとは比べ物になりません。考えてみたら身銭を切ってニコンに忠義だてをしたり、家電カメラでやる気をなくすなんて馬鹿な話だったのです。91年のZ1と同じで寝返ったのは先方なのですから。 ボディを買ったポイントに2万円を足したらタムロンが買えました。家電中古品をオークションに出せばカメラ代の半分は戻ってくるでしょう。14EXは使いませんが明日から私もEOS組員です。ただカワハギが寄ってきたら突っつくでしょう。魂まではオークションに出していませんから。 | |
| EOSレポート 興奮しながら書き続けたD1日記以降は、カメラは変わってもマイナーチェンジなので大して書くネタもありませんでした。しかし今度は異文化との遭遇で少々気合いが入っています。 あえて厳しい道を選んだことにはそれなりの確信もありました。カメラ以外のマクロレンズ、ストロボとマニュアル撮影という基本線は変わらないということです。各メーカーが独自なレンズマウントを採用しそれがユーザーの囲い込みにつながってしまったことは残念なことです。しかしタムロン、シグマなどの健闘で、同じレンズが各社カメラに使えるようになったことは小さな進歩です。結局レンズの買い換えは必要なのですが、メーカー純正レンズ間の違いからは逃げられるので壁は少し低くなりました。 もう一つ移行を容易にしたのは「口腔内撮影はマニュアルがベストだ」という結論です。その理由などについては繰り返し書いてきましたので省略しますが、大きさも明るさもほとんど一定な被写体の規格写真をとるために、内容も理解できない自動露出に振り回されるのはナンセンスだということがはっきりして、撮影法の縛りがなくなったのです。これらの解決なしにはEOSレポートは生まれませんでした。 D70から20Dへ、Dが頭に着くのがニコンです。後ろにきたらキャノンです。どうでも良いようですがそれぞれ根拠はありますから話し出したら大変です。それよりまずメインスイッチを探しました。 ニコンではどんなにモデルが変わってもメインスイッチはシャッターボタンのまわりにあります。フィルム時代のどんな機種でも変わりなく、右手でカメラを持ち人差し指をシャッターボタンのところにおくとその周りにOn/Offのスイッチがあります。ところが20Dのスイッチはなんと背面モニターの下、左手でカメラを持ち直さない限りは操作できません。 | |
| 信じられない位置です。さらにOnの上に不明なラインが入っていますがこのことは後に述べます。カワハギではボディ上面にあったはずです。メインスイッチすら変幻自在!これぞキャノンです。 次の写真はほとんどの一眼レフで左側にあるダイアルです。フィルム時代の巻き戻しノブの名残りですが、いまは撮影モードの切り替えに使われています。1.D100、2.D70、3.istD、4.20ですが、私の好みでは1.がベスト2.がワーストです。1.3.は文字が刻印のようになっていますが、1.4.は単純な印刷です。こんなところにもカメラの質感が出てきますが家電には刻印という発想はありません。撮影モードを表す文字はニコンではMマニュアル、Sシャッター優先、A絞り優先、PプログラムAEの順ですが下の二つではAがAv、SがTvに変わり順番も変わっています。これでは初心者に分かりにくいとつけ加えられたのが、2.4.右二つにある絵文字モードです。カワハギ、D70クラスにつけるのは分かりますが、20Dにはつけてほしくなかった。自らワンランクダウンを宣言しているようなものです。 ファインダー、背面モニターはともにクリアで大満足。表示文字が小さいのは辛いけれど色づかいやメニューの配置も好感が持てます。色調補正,階調補正などという言葉が現像パラメーターとなっていることに初めは戸惑いました。ここで特筆すべきはRAWデータが汎用に近づいてきたことで、6段階のJPEGとの組み合わせが選択でき同時撮影可能になったことや、ソフトの進歩はデジタル画像の明日を予感させます。 最後にシャッターと絞りの操作ですが、グリップを挟んで前後にあるメイン、サブ2つのダイアルに、絞りとシャッターを自分の好みで割り付けられるニコンのシステムの素晴らしさが初めて分かりました。20Dでも2つのダイヤルで操作するところは類似しています。しかしその位置と向きが悪いので、操作には両手のホールドを変えなければなりません。極めつけは、私にとってもっとも重要なマニュアルでの絞り操作です。すべての撮影操作はメインスイッチOnの状態で行えるのに、マニュアルでの絞り変更だけは、怪しげな名前もないラインに合わせて背面のダイヤルを回さなければ行えないのです。やっぱりキャノンはキャノンでした。唯一の対策は多少の電力消耗は覚悟してオート・パワーオフに頼り、長期非使用時以外はメインスイッチには触れないことです。 | |
9月27日![]() ![]() |
RAWデータは素晴らしい D1時代に別売りのNikon Captureというソフトで、RAWデータにトライしたことはあるのですが、不明なシステムクラッシュ頻発、嫌気がさして止めてしまいました。その後写真雑誌などでは盛んに取り上げられるのですが無縁のものとして敬遠していました。Photoshop CSにRAWのプラグインがついた前後で、もう一度試しては見たのですが複雑で魅力は感じませんでした。 EOSのRAWデータはPhotoshop CSでは開けなかったので、付属ソフトをインストールし新機種テストと合わせて使ってみました。データ量はかなり大きく、JPEGサイズL、Fineで66枚とれた256MBのCFが、RAWデータつきでは18枚でフルになってしまいます。撮影にストレスになるようなことはなく、パソコン上での操作もデータ量なりに時間はかかりますが我慢は出来る範囲です。 驚いたことは調整に要する手間ひまでJPEG 画像よりずっと簡単なのです。ソフトにも慣れていないので細かなことは分かりませんが、露出補正のスライダーだけでかなり思い通りの色調が得られます。これに対して同時記録されたJPEG 画像を、同じレベルにすることはできませんでした。一番安直なレベル補正でも、手を加えるほど不自然になりRAW画像のようにくせのない色調にはならないのです。 次に撮影時にわざと一絞りオーバーなRAW画像とアンダーなRAW画像を作ってソフト上で調節してみました。当然のことですがどちらもスライダー一つで、適正に直せますし色のバランスも崩れません。 これらのことから考えるとデジタル画像は露出にシビアで、色調のバランスは露出の過不足によって崩れてしまいます。これまではそれを立て直そうとして、不可逆的なJPEG 画像上であれこれいじり回していたのかもしれません。もしそうだとするとずいぶん馬鹿げた努力をしていたことになります。ことの勝敗ははっきりしました。あとは「便利なJPEG ときれいなRAW」をどう使いこなすシステムを作るかです |
| 10月3日 | 今日からRAWデータ |
![]() 素直な色調のRAWデータに惚れ込んで、本気でシステムチェンジを考えています。 | |
| 10月5日 | デジタル画像は恐ろしい |
OS Xの移行期に感じていたことですが、その前後で画像の色が大きく変わりました。Photoshopのバージョン6〜7辺りからカラー設定その他が変わったことも相乗効果になっているようです。OS9、Photoshop.Ver.5.5の時代は長く、その間にデジタル一眼レフの登場もあって多くのスライドをデジタル化しました。休日返上でかなり頑張ったのですが、時折、当時のデータを開いてみるとありえない色調で「まさか!!!」とわが目を疑っていました。これがスライドすべてのデジタル化計画挫折につながったのですが、その頃は、あちこちに聞き回ってもあいまいな返事でした。ところが今Adobeのカストマーサービスと話していると、当時のことは経験なさそうな若いひとからから「今は良くなりましたが、昔はひどいものでした!」といった明快な返事が返ってきます。といったって2002年6月のことで(もぐらのつぶやき)まだ2年しか経っていません。 当時からJPEGの問題点は分かっていましたしJPEG2000の登場は期待されていました。しかしこちらは結局まぼろしのまま終わったようです。一方とても実用にならないと思っていたRAWの方は一歩ずつ進歩しただけでなく、1999年のD1のRAWデータも最近のソフトで生き返るといわれています。各社バラバラなフォーマットを一本化しようとAdobeはDNGというフォーマットを提唱しています。しかし今の力関係からはCanonはいうことを聞かないでしょう。 ところがDigital Photo Professionalには10月3日づけのような問題を抱えていますが回答は保留のままです。保存はRAWに変更しましたがJPEGとの併走は避けられません。 | |
| もぐらの讃歌 マニュアル露出!が終わったら今度はRAWデータ!RAWデータ!かとお思いでしょうが、その通りでまだ諦めてはいません。キャノンのお客様相談センターから何も返事はきませんが、私のマシン内部では何か紛争が起こっているようです。先日来Photoshop.使用中、忙しいときに限って「予期せず修了しました」に悩まされています。ただ多忙のピークも過ぎましたし、トラブル解消すれば!という期待は大きいので実用面のテストを続けています。上の写真はコンパクトフラッシュからデスクトップに読み込んだときのもので、左20D、右D70ですがともに同時撮影したRAWとJPEGが同じ番号で表示されています。ここではRAWの画像は表示されていませんが、グラフィクコンバーターなどブラウズソフトでは表示されます。 下の写真はDigital Photo Professionalですが、一覧画面で明るさやホワイトバランスの変更も出来ますし、変更値は記憶、表示されます。プラス、マイナスそれぞれ2EVは調節可能ですから、1/2倍と等倍を同じ露出で撮ってしまったとしてもNO Problem。完璧にコントロールできますからフルオートとか、露出補正という言葉が懐かしくなります。この一連の写真は敢えてばらつかせて撮影しましたが、これを揃えるだけなら全部で2〜3分、ここにWB、RGB、コントラストなどを動かすとしてもPhotoshopまで持ち込むことはなくなりました。コラムの名前も「もぐらの讃歌」に変えたいような気分です。 | |
10月8日![]() ![]() |
ついに未体験ゾーンへ モグラの讃歌をアップして昨日撮影した写真の整理にかかりました。まずAさんのRaw、JPEG共存ホルダー内画像の調整(キャノン語では現像)をやってみたのですが、明るさだけで調整完了するRawに較べ、明るさをいじると色のバランスが崩れるJPEGには10倍の時間がかかりました。(これまで数年間続けてきた経験を生かしても) 続いてRAW、JPEGを仕分けてあるBさんのRAWだけのホルダーに移りました。図柄が単純なこともありますが、バラツキある画像がドミノゲームのようにパタパタと生き生きした色調に変わっていきます。正確に時間は見ていませんでしたが10〜15分の成果に小躍りして、今日午後2本目のもぐらの歌を書き始めました。 休みなく探し求めてきた5年間でしたし、家電カメラにめげかけていたスランプを抜けての今日ですから喜びはひとしおです。99年のD1に始まったデジタル一眼口腔内撮影の紆余曲折は5年の歳月をかけて完結しました。 もしD1時代にこの道を選んでいたら!と思うと返す返すも残念ですが |
| |
| [ 次ページへ] |