デジタル・スクエア

もぐらのつぶやき

こだわりの部屋


2004年その4

11月11日 口腔内撮影用ミラー
   少しずつはマニュアル撮影の良さも認められ始めたようですが、それにつれてわれわれの推奨するデータでは暗くなるという意見が目立ってきました。カメラもレンズもストロボも同じなのに差が出てしまうとなると、ミニ・リングのバラツキが疑われかねません。しかし1/2光量をフルにしてちょうど良いなどという意見はバラツキというレベルではありません。デンタルショーなどでユーザー層も拡大傾向にあり問題をはっきりさせる必要に迫られました。
   20年ほど昔ペンタックスで撮影用ミラーを作ってもらう時にも、形態とともにミラーの平面性や反射率は重要課題になり、カメラ部品に準ずる素材で製作してもらいました。この時もステンレスミラーの反射率は悪かったことを覚えています。ペンタックスが生産を中止するときストックしたものもあるので、われわれは同じ物を使い続けていますが、反射率でこれに匹敵するものは市販されていないようです。
   また余分な散財にはなるのですが、市販品でまずまずと思われるものを4種類を購入し簡単なテストをしてみました。写真のようにカメラをコピースタンドに着け、45度に傾けたミラー像が1/2倍撮影できる状態にしました。照明はLED・K-Macs 2で、明るさはカメラのTTL測光で判断しました。ペンタックスのミラーを基準にして、ロジュームメッキの国産2社のメタルミラーがマイナス2/3、輸入品のガラス、メタルミラーはマイナス4/3でした。ミニリング1/2光量で、全顎咬合面はF16が適正ですが、ロジュームメッキのものではF13、輸入品のミラーではF10にしなければならないことになります。
   同じサンプルの正反射率を東京都産業技術研究所でテストしてもらった結果は、ペンタックス94%、ロジュームメッキ2種が75と70%、輸入ミラーが62と59%でカメラの実写テストが裏付けられました。対策としてはストロボをフル発光にするか、カメラのISOを上げることが必要です。





ミニリング電源

   ミニリングの明るさ不足の意見があり原因を検討しました。その第1は11月11日にレポートした撮影用ミラーですが、ペンタックスは発売中止なのでKSK・Real-fineが無難かと思われますが、2/3アンダーになりますからミラー撮影時はストロボをフル発光に切り替えた方が良いでしょう。  第2は単三乾電池です。充電式ニッケル水素電池をおすすめしていますが、ニッケルカドミウムを使われているケースが多いようなのです。フジフィルムの単三型のリチューム電池、最近出回っているオキシライドを加え4種類のテストを行いました。カメラはパソコンにつなぎ一定間隔で1/2発光させました。写真はその一部ですが、リチュームだけは1/20、他は1/10のショットだけを残しました。持久力はリチュームが抜群で600を超えても大きな変化はありませんでした。ただ他のものに較べ全体的にアンダーで、ショットによって僅かなバラツキが見られることが気になりました。ニッカドは130枚以降に急速な低下が見られました。ニッケル水素は315枚まで大きなドロップは見られませんでした。(2230アンペアのものですが古いものは1000程度のものもあります。)意外な健闘を示したのはオキシライドで、200過ぎからやや暗くはなるものの300でも使える状態でした。これらの結果から◎はニッケル水素、オキシライド。×はニッカド。リチュームについては再検討が必要という結果になりました。

追加と訂正
  1. 単三型リチューム電池による撮影がアンダーになったのは、電池の性質上、初期電圧が低くニッケル水素に較べ充電所要時間が1〜2秒遅れることにあったようです。したがって充電完了音の後一呼吸おいてシャッターを切れば問題ありません。リチュームの長寿命は大きな魅力ですし、価格も4本で960円(ビックカメラ)ですから本命の一つです。問題は何処にでもある電池ではないことです。
  2. オキシライドはその正反対で、初期電圧が高く速度的には優れていますが、機器損傷のおそれがあるので使わないようにと、ペンタックスのサイトでは案内されています。
これらをふまえて、充電の手間暇をいとわない人はニッケル水素、面倒なことが嫌いな人はリチュームの買い置きということになりました。
11月29日 Pentax  istDs
   小さくなって安くなったペンタックスがやってきました。CFではなくSDカードだということで横を向いていたのですが、わざわざお届け頂いたので使ってみました。第一印象は当然ながら「小さく軽い!」ですが、グリップの部分などにゴムのようなものが貼ってあったり、仕上がりは明らかに先代より向上しています。ファインダーはクリアで大きく視野率95%は同じですが、倍率0.95は20Dも追い抜いてトップです。もうD70のファインダーは覗きたくありません。一眼レフではすべて右に倣えだって液晶モニターが1.8から2.0に上がった効果も抜群です。メニュー画面の老人への優しさでは20Dが最悪です。シャッター音もまずまずですし、カメラとして大切なものは何かということを問い直した上での、小型化というポリシーが伝わってきます。ガラスのペンタプリズム、2.0インチモニターを搭載しながらもコニカミノルタの760g、20Dの685g,D70 の595g、istDsの505gという重量は、ペンタックスの健在ぶりをアピールするに十分なものがあります。充電式を捨てCR-V3を軸に単三型4種類が使える電池システムも大賛成。今後他社も追随するでしょう。先代は試作機か習作機だったといわれてもしかたないかもしれません。

   ここまでは満点にも近い第2作ですが問題は内部に潜んでいます。最近の傾向として重視されてきたRAWデータの扱いがお粗末なのです。他の3社はすべてRAW+JPEGという記録方式を備えているのに、ist Dsは単独のRAWだけです。Friendly!をうたう最小一眼レフには不可欠なはずなのに。さらにこのRAWデータは他社のもののようにPhotoshopのプラグインでは開けません。自社ソフト専用なのですがそのソフトが前世紀の遺物です。自社開発は?ですからどこかに委託したのでしょうが、それにしても使い勝手、速度などスポーツカーと電動カート!
二度とこりごりですからRAWはないのと同じです。折角の新鋭機がJPEG専用とは、ジンベーザメ君しっかりしてよ・・・・・・。

12月22日歯科雑誌の連載
   このところ歯科の出版社とのお付き合いは気が重くなり、カメラの話などもH.P.上だけに書いてきました。しかし振り返ってみるとD1にのぼせていた5年前に、デジタル化への思いを書きなぐったまま沈黙してしまったことになります。
   1990年代、新しいセラミックスと悪戦苦闘した時にはその一部始終と、混乱が納まった5年後にその後の顛末を報告しました。この追加原稿は自分の気持ちの整理になっただけでなく、次の進路への示唆にもなりました。
   「モグラ」のリピーターの方には新鮮味はないかもしれませんが、2004年はマニュアルでのストロボ撮影やRAWデータのことなど、今後へ向けての転換点となった年だったように思います。2000年からの5年間を通していえることは、スライド時代と較べカメラの存在感が薄くなり、パソコンがより多くの作業を担うようになったことです。画像のトリミング調整などに加え、WBなども撮影後に変えられるRAWデータが実用化に入ったことはその象徴でしょう。撮影だけはカメラですが、その後の仕上げはすべてパソコンまかせという方向はより鮮明になってきました。歯界展望1月と2月の連載ですが、コンパクトにまとめたので説明不足の傾向もありますが、タイトルのイラストはそんなデジタルカメラの現況を表現したものです。



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