デジタル・スクエア

もぐらのつぶやき

こだわりの部屋


2005年その3

6月13日レンズ付きセット


   最近のデジタル一眼レフでは、価格競争の一環か「レンズ付きセット」と称して、低価格のズームレンズが一緒に売られることが多くなりました。先鞭をつけた旧カワハギのものは他のCanonボディには使えないという代物でした。安いのは結構なのですが作りの悪さは目を覆いたいくらいなので、私は20D用として一クラス上の手ぶれ防止機能つきのレンズを選びました。少々重いのですがこちらはまともなCanon軍団のレンズです。
 その後NikonやPentaxも同じような売り方を始めました。作りの問題はさておき、これらのズームレンズは申し合わせたようにワイド側が17〜18ミリになっています。かつて35ミリ一眼レフの標準ズームといえば35〜70ミリに決まっていました。標準レンズが50ミリでその前後をカバーしていたのです。年月をかけてワイド側は28ミリに拡大していきましたが、次のステップの24ミリはやはりワイドズームの領域でした。
 デジタル一眼レフで一気に17〜18ミリになったのは、受光素子が小型化したからです。しかしこれらが最適の標準ズームということは、デジタル一眼レフと35ミリ一眼レフのレンズシステムは、決定的に異なることを宣言したようなものです。デジタルにはデジタル用のレンズが良いという意見も出始めています。
マウントは同じでこれまでのレンズは使えますといってみても、広角、標準、望遠ズームの住み分けは根本から崩されましたから再構築はさけられません。
 これまでの資産はほとんどガラクタ同然になりましたから、開き直れば、NIkon党もCanon党も鞍替えするには絶好の機会です。むずかしいことですが、目先のモデルの価格比較だけでなく、製品構成や開発スタンスなども見ながら考える時になってきました。ただこの話、レンズ交換をしながら一眼レフを使う人の問題で、マクロレンズをつけっぱなしという方にはあまり関係がありません。

6月16日60ミリマクロは使えない


   最近デジタル用を意識してかマクロレンズにも新製品が増えています。しかし前回書いたレンズ付きセットの標準ズームと比べると、各社の考え方ははっきりしません。タムロン、ペンタックス、シグマなどいずれもフィルム時代の焦点距離のままで、APSC 移行にともなう短焦点化は見られないからです。キャノンの60ミリも50ミリマクロの延長と考えられますし、ニコンは昔から60ミリと105ミリのままです。

 個人的には70から80ミリ位のマクロが最適と思っているのですが、実現の可能性は遠のいたと思われます。少しでも理想に近づくは60か90かいずれかを選ばねばなりません。光量不足に悩まされていたLED・K-Macs時代には、ワーキングディスタンスが大幅に短くなる60ミリは魅力でした。余裕のない操作性と短焦点特有の描写がネックになりましたが、あまりきちんとテストはしていなかったのでもう一度調べ直して見ました。

 ワーキングディスタンス、被写界深度のことはほぼ分かっているので、近距離での60と90の描写の違いを比べてみました。撮影方向は正面と斜め45度ですが、60ミリではやはりレンズに近い部位の拡大が気になります。

 正面観では中切歯が大きいだけでなく大臼歯部歯列の側方への広がりが小さくなり、スクエアなアーチのように見えます。斜め方向からの画像では犬歯の巨大化で自然な描写とは言い難く、第一小臼歯との差は想像以上でした。これで、ぼんやり感じていたとおり60ミリの可能性はないことが確定しました。70〜80ミリマクロが登場するまでは消去法でタムロン90ミリしか残りません。

 同時に最近のカメラ、プロジェクターなどの短焦点化の問題点、特に近距離での誇張描写の大きさも改めて再確認しました

6月23日スライドとデジタル画像


   99年のD1を機に不安は感じながらもスライド撮影は全廃してしまいました。現像所に通う必要はなくなり利便性は向上しましたが色調補正は思うにまかせず、手持ちスライドのデジタル化も進みませんでした。発表の時にはデジタル画像で作業していくので、だんだんスライドを引き出すのは億劫になります。しかし器材の進歩とともにデジタル画像の内容も、見る目も少しずつ向上してくるので、以前にスライドからデジタル化した画像はだんだん見たくなくなります。さりとて何度目かのデジタル化に取り組むのも気が重く、スライドとの間の断層は次第に大きくなり、スライドファイルを広げる機会はめっきり減ってしまいました。
 もう一つの致命的な問題は、スライドをデジタル化してディスプレーで見ると、思いもかけずピンぼけなど初歩的なミスだらけなのです。スリーブのまま現像が上がってくるとスライド一枚ずつチェックし、NGを捨てて残りをマウントしていました。撮影からチェックまではすべて自分で行い、5倍のルーペもしばしば使っていたのですが、慣れは恐ろしいものです。画面全体を仔細に点検はしないままファイルにしまい込み、日の目を見るスライドは何百分の一です。
被写界深度不足で臼歯部はOKでも、前歯はぼけているスライドなどうんざりするほど出てきます。もちろん調整などはできません。
プロジェクターはフル画像でも79万画素、4枚合成なら一枚は20万画素以下ですから、まーいいか!でも事はすんでいました。ところが30吋モニターは64×40センチ、スライドとの面積比は300倍です。5倍のルーペの見落としなど容赦なく映し出してくれます。お陰様でこのところ撮影は極めて慎重になりました。スライドでもデジタル一眼レフでも問題は同じです。フィルム代現像代が要らないことを喜んでいる方は、ため込んだ画像を100%表示にして一枚ずつ点検することをぜひお勧めします。(下の写真は66%表示時です)

6月29日省電型ミニリング・2


   2004年4月1日にスタートしたミニリングは、発売窓口を1ヶ所に絞っているにもかかわらず順調に実績を伸ばしてきました。この間、細部の改善は続けてきましたが大きな変更はできませんでした。電源を切り忘れて次に使おうとすると電池が切れ!というミスは自分でも再三繰り返していましたので、発売1周年と200台の実績を足場に製造元と交渉し、省電機能を組み込んでもらいました。提案から実現まで時間はかかりましたが、7月1日よりすべてこのタイプに変更することになりました。3分使用しないとコンデンサーへの電流がオフになり、さらに3分弱でレディランプが消えます。主電源スイッチを切らないでも電力消費は最小になり、次の使用時にはテスト発光用のオレンジボタンを押せば復帰します。多くのカメラには使われている機能ですが、弱小メーカーとしては勲章ものの新機構と自負しています。
 切り替えのため30名ほどの方に購入をお待ち頂いていますが、それらが解消する8月頃より、これまでのユーザーの方にも電源部のみの新規購入でお使い頂けるよう準備を進めています。その他の機能は従来通りです。

   今回の改良に合わせてリチューム・イオン電池の使用も検討致しましたが、現在の規模では新規型起こしは不可能で見送りになりました。ただニッケル水素も年々容量がアップしているらしく、手元にあるものでも1450mAhから2300、2500のものも市販されているようです。さらにこの電池、フル充電してから2週間も放置しておくと、かなり電流がドロップするので直前充電が望ましいとか、メモリー効果解消のため放電装置付きの充電器も市販されているなどという記事もありました。思い当たる節はあるのでご紹介します。

    ○ http://allabout.co.jp/computer/digitalcamera/closeup/CU20041031A/

7月8日Pentax istDl
   もう泥仕合はごめんだ!というのかと思っていたら、しぶとく新型を出してきました。ボディシェルは変えていないようですが、小さなスペースを目一杯いかして2.5インチの背面モニターを押し込んだのは見事です。一眼レフではD2Xがすでに同じサイズですが、重さは2倍以上、価格は一桁違いですから頑張るなー!という一言です。買ったわけではないので詳しくは分かりませんが、これなら撮影画像をそのままカメラで患者さんに見て頂くこともできそうです。
 さらに驚くのはズームレンズ付きで8万円という価格です。
今年1月30日にご紹介したように、このズームレンズは口腔内撮影にも使える優れものですから、ミニリングとの組み合わせで11万という超低価格の口腔内撮影用一眼レフが出現したことになります。多少の問題もなくはありませんかRAWデータも使えますし、ファインダー接眼部なども丁寧に作られていますから、文句のつけどころがありません。何といったって5年前のD1の1/10以下ですから、これからスタートする人は本当に幸せです。(写真右はEOS 20Dです)

○スイッチオンシステム


8月18日暗い夏休み


   アップルとの大戦争も終わり快適環境は戻ってきました。バージョンアップでPhotoshopの操作性も上がり、PICTからJPEGへの変換を機会に、ハードディスク内の全データ整理を始めました。元データだけでなく講演や出版などのための二次、三次・・・・データも山積していますから簡単なことではありませんでした。それでも何とか忍の一字で完徹し、今はそれに伴って見つかった不良データの差し替えに移っていますが、この作業には年内一杯ぐらいはかかりそうです。
 スライドのデジタル化は1990年代の半ばから始まりました。スライドスキャナーによるスキャンニングは、読み込みに数分、調整にはさらに長時間が必要でした。元画像の良いものはすんなりいくのですが、ひっかかるととんでも無い時間をとられました。当時のパソコンや周辺器機の性能、ソフトの機能、自分の色調調整能力などの低さがベースになっていて、今にして思えば無理な挑戦だったのです。2000年以降スキャナーに変わってデジタル一眼レフを使い始めて事態は改善されましたが、何度となく繰り返した修正によるデータ破損は、負の遺産となってあちこちに隠れているのです。

 乳剤の進歩からかスライドも10年単位ではかなり大きなばらつきがあるものです。最初の写真は1969年から85年まで16年間の同一ケースのスライドですが歯肉の色は実にさまざまです。次の写真は77年と86年の正面観をスライドに忠実にデジタル化したものです。フジフィルムのせいですから仕方ないのですが、このまま一枚の画像にするのは気分が良くありません。多少でもこの違いを補正したいということで、いつも深みにはまってしまうのです。赤だけを変えようとしてもイエローにも影響が出ます。それを補正しようと、もう少し!
今度こそ!・・・・で収拾がつかなくなるのです。多くのデータ破損はこの過程で生まれたものです。
 RAWデータはスライドのスキャンニングにも大きな威力を発揮します。これまで苦しんでいたことが解決できると、諦めていたことも何とかしたいと欲が出ています。どこまでやるの?という悩みは深まるばかりです。

8月19日トンネルの先に




   前回の1986.8の画像と今回の1986.8の画像とを見比べて下さい。JPEGではできなかった調整が、RAWデータを使うことでここまで修正できます。8ビットと12ビットの違い、ホワイトバランスやコントラストの調節生の高さが、スライドからの変換にもこれほど役立つとは思いもしませんでした。しかもレベル補正や色相彩度などとの格闘は皆無になり所要時間は驚くほど短縮されました。スライドの経験なしにデジタル一眼レフを使い始められた方には分かって頂けないでしょうが、40年に及ぶスライドを引きずってきたわれわれにとっては、夢のまた夢といってもよい出来事なのです。

 最後の画像は今年のRAWからの画像です。28年の間に補綴物も変わりましたし、天然歯の色調も変わりました。しかし86年の黄色い画像は経年変化として許容できないことは明らかです。12ビットのRAWデータによって自然な色調再現が可能になっただけでなく、銀塩の欠点もカバーできることになりました。夏休み返上で頑張ったことへのささやかなご褒美でした。

ブラウズソフトはSafariの方が元画像に近い状態でご覧いただけます。Explorerでは画像の彩度が著しく低くなり、記事の内容を表現できていません。
8月23日背面モニターは2.5インチ
   この夏にistDLを出したばかりのペンタックスが、1ヶ月半ほどで兄貴分のistDsとのいいとこどりのistDs2を発表しました。これで両方とも2.5インチのモニター付きになりましたが、始めからここまではサイズアップできる設計になっていましたから、コストか出し惜しみだったとしか考えられません。兄弟2本立てで行くとすれば、ファインダーなどの機能重視型と、コスト優先型ですっきりしたかもしれません。問題は先代のistD以来一向に改良しようとしないRAW環境だけになりました。

 このところ小型なコンパクトデジカメが、本体サイズ目一杯の2.5インチをつけるようになり、裏側だけを見ると携帯用のテレビか、フォトストレージ用のハードディスクかと思うばかりです。( IXYシリーズなどは全製品を2.5インチに変えてしまいましたし泣く子も黙らせる勢いです。)
長かった1.8インチ横並びの時代から、急激なサイズアップはパーツの低コスト化によるものでしょう。これに比べると一眼レフはまだ立ち後れていますが、D2X、ペンタックスに続いてコニカミノルタ、海外で発表になったEOS 5DやMark UNなども申し合わせたように2.5インチになっています。大型化しても重量には響かず、消費電力以外には大きなに問題はないのでこの流れは加速するでしょうが、デジタル一眼を引っぱってきたニコン、キャノンの普及機が、揃って流れに乗り遅れたのは皮肉なことです。

 キャノンについてはもう一つ気になることがあります。新発表のEOS 5Dという機種、かっては待望の的だった35ミリフルサイズのカメラなのです。他社のデジタル一眼レフがAPSCに統一されたところで「お前らにはできないだろう!」とばかりに中級機にフルサイズを出してくる余裕はたいしたものです。ただ1D Mark UNはAPSC、5Dは35ミリというのはいかがなものでしょう。ねじれ現象は交換レンズに出てきます。もしこの2機種を持って旅行に行くとすると、他社のカメラのようにお互いに使えないレンズがあれこれでてきます。ここまできても35ミリの亡霊を捨てきれないキャノンと、身の程をわきまえ、デジタルはAPSC !と割り切ったニコンとどちらが賢明か3年後が楽しみです。


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